◎上腕骨外側上顆への負担

解剖学的に見ると、肘の外側には、上腕骨外側上顆という骨のでっぱりがあります。
この上腕骨外側上顆には、指を開いたり、手首を反らしたりするときに収縮する筋肉（前腕伸筋群）が幾つかくっ付いています。
前腕伸筋群は、指を開いた時や、親指を内側に回した姿勢（回内位）で、手首を手の甲側に反らす動作により筋収縮します。
そのため、テニスの練習でボールを打つときに、ボールがラケットに当たった衝撃に負けないように力を入れ、ラケットが後ろへ弾き飛ばされないように前腕伸筋群を収縮させると、上腕骨外側上顆へ過度の負担が掛かります。
そして、長い期間、肘の外側に負荷が掛かり続けると、その部分に炎症が生じ、やがて、痛みが引き起こされます。

原因：
テニス肘の原因は、主に、テニスの練習をやり過ぎたために起こります。
これは、テニスボールをラケットで打つときに、前腕伸筋群が過度に使用されて、上腕骨外側上顆に負担が掛かるためになります。
しかし、テニス肘は、テニスやバトミントン、卓球などを行っていない方でも発症することがあります。
それは、テニスの練習で動かす前腕伸筋群を使う動作を繰り返し行うことによります。